人間の体を画像で見ると言うと思いつくのはレントゲン写真や最近ではCT、MRIといった断層画像になると思いますがこれらの画像は人間の体の構造を画像化しています。我々の世界ではこのような画像のことを解剖学的な画像と呼んでいて、体の構造を見るために使っています。 怪我などの外傷や腫瘍などの形に見えるような病気はこのような解剖学的な画像診断で 確認することができます。
それに対して、生きている人間の体の機能を見るにはこれらとは若干違った技術を用いることになります。ほとんどの病気は特にその初期には身体の構造に大きな変化は見られないため解剖学的な画像診断では検出することができません。しかし病気として既に発症している状態であれば何らかの機能障害が生じているはずです。 この体の機能の部分を画像化して診断しようというのが機能画像と言われる画像診断で具体的にはシンチグラム、核医学、RI、PET、SPECTなどと呼ばれている検査です。これらを総称して機能画像と呼びますが、一般的には人間の体の特定の機能を反映する信号を拾って画像化すると言うイメージになります。
風景写真で考えてみましょう。この画像は六甲山から見た神戸市街の風景ですが日中の画像ではどこに道が通っていてどのあたりに大きな建物があってといった街の構造がよくわかります。(© 一般財団法人神戸観光局)
同じ風景を夜に撮影してみると街の構造はわからなくなりますがどのあたりの街が賑やかでどのあたりが静かなのかといった機能が分かります。
人間の体もこれと同じでCTやMRIといった一般的な画像(解剖学的な画像)は昼間の風景、機能画像は夜景を見ていると考えれば分かりやすいと思います。 例えば病気を発見するにしても解剖学的な画像情報からはなかなか異常を見つけるのが難しい場合も機能画像を使えば一目瞭然でわかることがあります。 下の画像は東日本大震災の前後での日本列島の夜景を表していますが震災後には日本列島全体の機能低下と特に東北地方での活動の低下が一目瞭然です。
風景写真の夜景は一般的な夜間の人間の活動を見ているのですが、人体は様々な機能の集合体なので画像化するときにはそれらのうちで特定の機能のみを画像化させて見ることになります。